ワイドリムパスタ皿の仕上げと削り技術

以前から、製作の試作を行っている幅広縁のパスタ皿、以前の試作品をベースにして三作信楽の白粘土で制作してます。

この削り仕上げを約半日かけてやりました。

今日はそのテーマです。



大皿の湿台削り


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左の写真は3枚目のお皿の削り仕上げの様子です。直径が260㎜、高さが50mmの大きさです。

土は信楽の白粘土を4kgの土を使って轆轤挽きをしてます。このような大物になると轆轤で挽いてそれを切り離した後、平板に移します。

その為に、下の部分は高台プラス、切り糸と指溝を作ります。ですから、下の土は高台を10mmとした場合、指の入る溝をつけるのに更にあと10mm程土が必要になります。

もちろん亀板で挽いたら、指溝もその下の土も要らないので、3kg程の土で作れるかも知れません。

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この窯元では、同じ作品を大量に作る時は、山挽きと言って一つの粘土の山から、複数の作品を作ります。

その結果、轆轤から削りカスが飛んでしまって、床の上も土だらけとなります。



削りの技術


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削りの技術は、轆轤挽き同等に大事な作業で、技術的にも高いものが要求されます。

削りに必要な道具は、電動轆轤、湿台、鉄カンナ、ガーゼです。

陶芸教室では、まだ土が柔らかい内に輪カンナで削りますが、プロは粘土が半乾燥の状態で削りの作業をします。半乾燥と言うのは、手で持っても変形しない位の硬さです。ですから、輪カンナでは硬すぎて削れません。このため、帯び鉄を加工して自作します。

陶芸教室にもある、鉄を曲げてその先に刃を付けたものです。刃は硬い粘土を削ると切れ味がすぐに落ちます。ですから、板前さんが毎日包丁を研ぐように、削りの前には、金ヤスリでカンナを削ります。削りの要領は片刃の包丁を研ぐ要領と同じです。

そして次の技術は湿台での削り。必要であれば、作品に合わせて湿台は作ります。陶芸スクールには沢山の湿台がありますので、その必要はありませんが、生の湿台を乾燥させたものです。

ではなぜ湿台を使うのかそれは、作品を時々湿台から外して削りの作業をするためです。

取り外して、持つことで、削りの進捗が分かります。もって重たいと感じれば、土がまだ沢山残っています。

職人さんは、指が届くところは指の感触でその厚みを知り、削りの作業中は、”でこピン”の要領で指で弾いて、その音で厚みを判断します。

生徒のほとんどがこの方法で厚みを知る事は不可能で、10mm位あれば、鈍い音がして分かるのですが、7mm程度になってくると、軽い音がして来ますが、その音が7mmなのか5mmなのか、3mmなのか判断するのは容易ではありません。

ですから、削っては外して厚みをチェックする。又、そして削る。この繰り返しが必要です。ですから、轆轤を使う事が大事になります。

スクールでも、轆轤面に直接据えている人もいますが、これは言わば邪道で、これでは質の高い削りは出来ません。

私たちの陶芸では、お皿の内側は基本的には削りません。でも縁などは軽く削り仕上げをします。湿台を使うと湿台に載せて水平が取れますので簡単に内側の処理も出来ます。

内側を削らないのは土の場合で、磁器の大物は、アルミへらで軽く仕上げの作業をします。その為には、どうしても湿台が必要になります。

以上のようにかなりの長文になってますが、陶芸教室とプロの作品の違いは、削りのやり方に、全く違った技法が用いられていることにあります。

電動轆轤がない環境では致し方ないことですが、プロがどうやっているのかを頭の片隅においていただければ、手びねりの作品でも変わってくると思います。

私の削りの技術はまだまだ素人の域を出ません。一日も早く、職人さんのレベルに近づきたいと思ってます。


この作品は素焼きに出してますので、来週からは装飾に入って行きます。

少し寒さが厳しくなって来ました。風や、インフルエンザにかからないよう、健康にご留意ください。

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