イッチン(一珍)描きの装飾の魅力とイッチン描きの道具

暫く遠ざかっていたイッチン描き。今年の展示会の職人さんの作品を見て、改めてイッチン描きの良さを知ったように思う。やっぱり、その装飾の技法は見逃せない。

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ブログを読んでない人の為に、左の写真がそのイッチン描きの豆皿の作品です。たかが豆皿ですが、その中には相当の技術が駆使されてますよ。

前のブログで書き忘れている技法があるんですが、裏には高台はありません。その替わり、型に押し付ける時に、蚊帳の布を敷いて型に叩いて成型をしてました。”な~んだ、蚊帳目か”と思うでしょう。ところがこの蚊帳目がこの作品にピッタリなんです。

作品を見る時に何故か自然に高台を見ますね。そこで、高台の仕上げが悪いといっぺんにその作品のイメージが下がる。

別に蚊帳目が無くても無釉の焼きじめ風でそれはそれなりに良いと思いますが、そこに蚊帳目があるだけで、又、それ以上に価値が上がるような気がしますね。職人と言うのはこのようなところまで気を使うんだ。

このブログ友のYokkoさんから、又、イッチンをやりたいと思うようになったような事がコメントされてました。

実は私もそうで、最近ご無沙汰のイッチンをもう一度やって見ようと思った次第です。



蕎麦猪口のイッチン装飾


今週自宅に持ち帰った作品はこれだけ、タンブラー、蕎麦猪口の素焼き品。そして、蕎麦猪口の生 6個。

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今までのイッチンの作品は、陶器に桜を下色絵具(色呉須)で描いたものでしたが、発色が薄いし、もう一つ、イッチンの魅力が見いだせない出来上がりでした。一方、職人さんの作品は、コーヒーカップにしても豆皿ににしても磁器。これが仕上がりに絶対的な違いを生み出してます。

そして、磁器であれば、呉須による染付の方がいいと思ってました。その一つには、イッチン描きの私の技術が、まだ低いと言う理由が大きいですけどね。

でも、このイッチン描きと鍋島の赤絵と組み合わせたらどうなるだろう。有田や、伊万里焼きに負けないものになるのではないかと、思った次第です。

ですから、最近取り組んでいる赤絵へえの挑戦は変わりません。それに、イッチン描きを加える。

これが出来たら、自分のオリジナルの作品が出来るのではないかと思います。

前にやって蕎麦猪口は、窯元の還元焼成の棚で焼成待ちになって2周間も経ちます。でも、まだいつ焼成出来るか分からないそうです。 それだけ、窯元の商売が少なくなっているのか、季節的な要因の商売のボトムに来ているのでしょうか? 困ったもんです。これでは、評価のしようもない。



蕎麦猪口のイッチン描き


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モチーフは、前回の蕎麦猪口の鍋島の赤絵の写しです。

赤絵をイッチン描きすると言う事になります。イッチン描きから、少し遠ざかっていたのには一つ理由があって、それはイッチン描きは生の作品に描くことです。絵付けは家でやることが多く、生の作品で家に持って帰るのは、破損のリスクが高いです。

この蕎麦猪口であれば、鋳込んで、一晩位乾燥させて削ってます。。

磁器土の鋳込みですから、完全に乾燥させてからの削りも出来ますがが、細かな磁器粉が飛ぶため、健康に悪いので半乾きで削ります。

素焼き前の生にイッチン描きした方が、剥離の心配がありません。素焼きにも描けますが剥離しやすいですから、素焼き前の生が良いです。でも、ここにワンステップ置くのが煩わしくて、ついついイッチンは止めとこうとなります。

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話を元に戻して、左の絵を描きます。 まずは鉛筆で下絵を。葉っぱの葉脈以外は出来るだけ正確に。

職人さんであれば、大きなアウトラインだけです。花の輪郭としべの部分を二重丸で描いて、後は、それをイッチン描きします。

でも初心者はそうも行かない。イッチン初心者は、花びらや葉っぱまで描いていた方が良いと思います。鉛筆で、この花の絵を描いて見て下さい。花びらが4枚になったり不揃いになったり、形が崩れたりするでしょう。鉛筆で描けないものをイッチンで描ける訳ないですよ。

又、これだけ花や葉が入り組んでいて重なるとやっぱりある程度しっかりした下絵がないと難しいですね。

後は原画を見ながら鉛筆の下絵を修正しながら、描いて行きます。下絵は、当たりを取っていると思った方がいいです。

これで完成。素焼きに回します。自宅から、京都に搬送するとき、イッチン描きが壊れないか少し心配です。



イッチン描きのポイント


イッチン描きの基本を少し復習しておきます。


化粧土: 化粧土は化粧土が沈殿している濃い目のものをスプーンなどですくって準備します。それに、ふのりを少々入れます。500ミリリットル位であれば、スプーン2杯程。

良く攪拌して濃さを均一に。


イッチンの道具は、私の場合は、絞り袋と口金0.7mmのものを使ってます。MARPOL絞り袋

MARPOL絞り袋No.8 - ムラウチ
MARPOL絞り袋No.8 - ムラウチ  絞り袋は、少ししっかり目が良いですね。余り大っきいと使い難い。これに次の口金と絞り袋を装着するカップリングが必要です。でも、問題は口金。ケーキ用は沢山あるんですが、以前あった0.7mm 程度のものが東急ハンズ、楽天、アマゾンにもありません。少し、大きめのものを購入して、自分で加工出来ればいいでしょうけど?この絞り袋に、シャープペン等の先金をつけても使えるかなとは思います。PRO SERIES PCカップリング(口金留) 小
PRO SERIES PCカップリング(口金留) 小

アイシングバッグに化粧土を入れる時は、ガーゼなどを利用して、塊や遺物をフィルターしてください。この作業をしないと、口金が目詰まりをしますよ。

後は、描いての練習しかありません。絞り袋を指先で一定の圧で絞りながら、化粧土の出を一定にします。これが出来ないと途中で、線の太さが変わったり、線が切れてしまいます。線描きよりも、むしろ、袋の絞りに集中した方がいいでしょう。

なんといっても集中力が大事です。

陶芸ショップでプラスチックボトルに細い口金のついたものもありますが、生徒のなかでは、これを使う人もいますが、職人さんは全て絞り袋タイプで、化粧土が減っても袋を巻いて行けば、一定の圧が加えられますので、沢山の面積や、作品を描くときにはこの方がプロ向きなんでしょうね。


またまた長文になりました。

いつか、Yokkoさんのイッチン描きの作品をブログに掲載出来る日がきますように。

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