墨はじき 素焼き完了 なせばなる、ほぼ完璧な仕上がり。絵付けの裏技公開

期待の墨はじきの素焼きが出来上がりました。

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藍呉須のバックに、くっきりと線描きされた文様が浮かび上がりました。想像以上の出来です。

これで、あれば、本焼きの仕上がりは見えている。この技術は使えそう。



墨はじきのテクニック


超簡単。墨はじきのテクニック。

習字用の墨汁を準備します。多分、家には1本くらいあるでしょう?

墨汁の原液で、自分の好きな絵を素焼きに描きます。呉須で描くよりも超簡単。

難しい濃さの調整など必要ありませんよ。そのまま描きます。線画がいいですね。余り絵が得意でないのであれば、植物画なんかが良いですね。

描き終えたら、墨汁を乾燥させます。

乾燥したら、手ろくろに載せて、毛先の柔らかな太目の筆で、だみ用の呉須で、轆轤を回して塗ります。三回位、塗ります。面積が広いと、斑が出ますが、それも景色ですよ。そして、もう一度素焼き。

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こんな感じで仕上がります。

良く見ると完全には白抜き出来てません。でも心配なく。墨汁が残っているんです。

そこで登場するのがコンプレッサー。圧縮空気を吹きかけてやります。あっと言う間に墨汁が飛び、白抜きの文様が浮かび上がります。 コンプレッサーが無ければ、難しいけど。。ゴルフの練習場に行けば、靴の泥を落とすAirが準備されてます。なければ、ちょっと難しい。。ホームセンターで、圧縮空気ボンベなんか売ってないかな? 調べておきます。

後は、透明系の釉薬を掛けて本焼き。



線描きの裏技


面相筆と墨汁で線を描く自信がない人へ。 裏技があります。

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漫画用に左の写真のペンセットを売ってます。

メーカーは”DELETER”商品名:デリーターお試しペンセット。

アマゾンで、800円位で売っていたと思います。調べて下さい。

漫画用ですが、墨汁で思いの線が描けます。どこかで見たような。そうなんです。昔、万年筆が出回るまでは、この付けペンで、ガラス容器に入ったインクを付け、書類や手紙を書いてました。あれです。

デリーター お試しペンセット
デリーター お試しペンセット

黄色の棒がペン軸。そして、三種類のペン先が入ってます。まだサジペンと言う一番大きなものしか使ってませんが、それぞれ、特徴のある線が描けると書いてます。

実は、このペン。呉須で極細の線が描けないか試すために購入したものですが、呉須では、その粒子の為か、上手く描けませんでした。

でも、墨汁であれば、問題なくかけます。素地が磁器土という事もあるかも知れませんが、絵付けが苦手な人に取っては、神の手かも知れません。


この技術を使えば、相当、高級感のある作品が作れるとおもいますよ。IMG_4108.JPG

今日削り仕上げをした、この白磁の壺。良い絵付けが出来れば、すごい、作品になるだろうな。

今右衛門と墨はじき 墨はじき作品の試行

今右衛門は、有田の三右衛門の一人であると言うのは以前のブログに書きました。正式には、今泉今右衛門で、現在は十四代目になるそうです。

1600年代に有田泉山で陶石が発見され、日本で初めて磁器が焼かれます。その後、中国より、赤絵の技法(色絵)の技法が伝わり、初代今右衛門は赤絵付けの仕事をしていたそうです。

十七世紀後半、有田皿山の窯元は百五十軒ほど、そして、赤絵屋は十一軒。鍋島藩の保護のもと、有田内山地区に集結。赤絵町が作られたそうです。

その中でも、最も技術力の優れた今泉今右衛門が藩の御用赤絵師に指名され、藩は家督相続法をつくり、一子相伝の秘法として保護をしたそうです。


十四代今右衛門  墨はじき


「墨はじき」とは、江戸期から鍋島ではよく使われた白抜きの技法である。技法の手順としては、まず墨で文様を描き、その上を染付で塗る。すると墨に入っている膠分が撥水剤の役目をし、墨で描いた部分が染付の絵具をはじく。その後、素焼の窯で焼くと墨が焼き飛び白抜きの文様が現われるという、染織のろうけつとよく似た技法である。

 鍋島ではこの「墨はじき」による白抜きは、主文様を引き立たせるための脇役の表現方法という目的を感じさせてくれる。「墨はじき」によって描かれた個所は、染付の線描きされた個所と比べるとやさしい控えめな印象を与える。鍋島ではその特性を最大限に生かすために、この「墨はじき」が主文様の背景に使われることが多い。染付で描いてもよさそうなところを、あえて一手間二手間かけて、主文様を引き立たせるために「墨はじき」の技法を使い描く、鍋島らしい神経の遣い方である。私はこの控えめではあるが、白抜きの奥深い魅力に惹かれ、背景を描くだけでなく、主文様の部分にも取り入れ作品に生かす努力をしている。

 鍋島の制作に携わっていく中で、このような目に見えない心配りを随所に見ることが出来る。目に見えるところに神経を遣うのは当然のことであるが、鍋島の世界では、このような、「墨はじき」の技法のような、目にみえない所に、神経と手間を惜しまない、何かこの感覚が鍋島の"高い品格"と"高い格調"を醸し出す要因になっているような気がするのである。鍋島ではこの「墨はじき」の技法を含め、格調高い木盃型の形状、気品高い柞灰釉、高い高台、櫛目などの高台書き、表書きに匹敵する程の裏書き、緊張感のある筆致、斬新且つ精巧な構図など、それら一つ一つの細かい神経と手間の集合によって、世界に類を見ない最高の色絵磁器が創り出されている。

 私は昨年2月、14代今右衛門を襲名し、鍋島の代々の仕事を継承していく中で鍋島の品格と格調をいかに守り創出するかを今後の目標とする覚悟である。その中で、この「墨はじき」のような、目に見えないところへの神経と手間を大事にすることをひとつの信念として取り組んでいきたいと思っている。

以上は十四代目のホームページの抜粋ですが、一子相伝とは言え、代々の今右衛門さんによって、その取り組みも変わっているんですね。

ギャラリーで、初めてその作品を見た時感激しました。上の説明にあるように、脇役であった墨はじきの文様が、主文様として作品に活かされている。

私もこの技法を是非身に付けたいと思いましたね。

白抜きが主の文様、白抜きの下地は白い磁器素地が、そして、染付の部分が逆に背景になっている。



墨抜きへのチャレンジ

上の引用文の冒頭にその技法が説明されてますね。

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でも、実際やってみないと分からないですね。この墨はじきをやっている友達がいて、分からないところを聞いてますので、それを頼りに。

今右衛門ギャラリーでも結構詳しく教えてくれましたけど。

素焼きに墨で文様を描く。そして、呉須を塗ると言うだけなんです。

でも疑問点が、墨は墨汁で良いのかな? 友達は墨汁の原液を使ったと言ってました。京都の絵付師さんは”墨を磨った方がいいよ”と言ってました。

次の疑問。塗るとは? 霧吹きで、呉須を掛けると思ってたんですが、筆で塗るそうです。これは、今右衛門でもそう言ってました。 でも、その水分で、墨が滲んだりしないのかな? 結果は滲みません。轆轤に置いて、彩色筆や、だみ筆を使います。ポイントは毛が多い事、そして、毛先が柔らかい事。

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左の作品は私の友人のUさんの墨はじき。良く見ると、この文様、十四代今右衛門さんの作品にそっくりです。

細い線で、雪の結晶みたいな文様が出てますね。現物はもっと綺麗な作品で、昨年の所属するグループの展示会の出展です。 この人は、同窓生で、丹波の方に工房を新築して陶芸をやってます。

冒頭の写真は、テストピースで、墨汁で絵を描いて見て素焼きをして見ます。もちろん、後ほど、呉須を筆で塗ってですけど。

 そして、今、タンブラーが一個素焼きをしてます。明日は、その結果が分かりますが、呉須が上手く弾かれてますように。

それと、写真を撮ってませんが、大鉢に新呉須で墨はじきの絵付けをしましたので、二回目の素焼きをします。

テーマは、"Blue Marine Life". 外側は、海中のBubbles, 内側には、海の魚など。白抜きされた部分に、着色しようかと思ってます。素焼きをして、墨の膠ではじかれた呉須の部分が白抜きになるはずです。もし抜けていなかったら、コンプレッサーの圧縮空気を掛けることで、墨汁の部分の墨や呉須が飛ぶそうです。


この技法は単純で面白そう。でも、繊細な墨の線はどうやって書くのだろう?私は、デザイナーペンと言うのを購入して描いてみてます。これは、万年筆のペン先みたいなもので、昔、インク瓶に描いていたもので、今では、漫画などの線画を描くのに使われているようです。墨はじきが上手く行かないようであれば、膠を足してはじきを強くしようと思います。

白磁渦巻き彫文丸壺の製作

南アフリカがニュージーランドに敗れました。南アフリカの長男の嫁さんが、がっくり。”まだ、決勝で対戦するから、もう一度チャンスがあるよ”とLineで送ると”でも、負けて悲しい”と英語で書いて来ました。英語しか分からないのであたり前ですが。ラグビーは南アフリカの国技見たいなもんで、皆さん大好き見たい。たかがラグビーされどラグビー。。

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昨日の作品に家内が花を活けてくれました。 花瓶の方は、結構派手だけど、こうして花を活けて見ると、花瓶自体は目立たない。

これっていいことですよね。 余り目立つ花瓶は良くない。 

先ほど、大坂なおみが優勝しました。日本での初優勝だそうで。。気持ちは大坂なおみにこの花を贈ろう。おめでとう



白磁渦巻彫文丸花瓶


井上萬二さん風の丸壺を作って見ました。ホームページを見るとカッコいい名前がついてますね。 白磁。。。。。。とか。私もそれにちなんで”白磁渦巻彫文花入”とでもしておきましょう。

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粘土は半磁器。一度失敗して練り直しての作品です。その性か、何やら多くの小粒の石が入っているようです。

兎に角、筒上げをして膨らませて、乾燥後削り。この段階から、石が当たってしまって、私の超鋼刃が痛んでしまいました。

この後は、これ以上乾燥が進まない様にビニール袋に入れて保管。簡単な方法ですが、後加工の為に乾燥を進めたくないときなどにやります。

この方法だと、暫くは半乾燥の状態になります。




白磁菊彫文丸花瓶

こちらの作品も同じコンセプトです。220mm(H) X 200(D)の一回り大きな作品です。

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形状的には、一作目が丸、二作目が少し細長

この彫りですが、まずは円盤の分割器で分割線を入れます。この場合は一二分割。

その線に沿って、墨汁で下書きをします。この下書きは大変大事で、この線に沿って削りをします。

私の場合は超硬カンナを使ってます。これだと、磁器はサクサクと削る事が出来ます。素地に入り込んだ小石の粒が邪魔ですが、丁寧に削って行きます。

削りは一方向。例えば、上から下への削りだけではなく、水平方向にも削ってやることで、スムーズな面が出来ます。


このまま、素焼きに回して状況を見ます。 出来が悪いようであれば、絵付けなどを考えますが、白磁か青白磁で仕上げたいと思います。正直言ってここまで綺麗な彫りが出来るとは思っておりませんでした。それには裏技があるのですが、出来上がりで公開するかどうかの判断をしたいと思います。

久々の楽寿荘陶芸教室作品 岩石ライク花瓶

ラグビーワールドカップが始まりました。

マスコミに洗脳されて、私も昨日の日本―ロシア戦から見ています。ロシア―に大勝して勝ち点4とボーナス点で5点。格下のチームとは言え好発進です。

それにしても、日本のチーム外国人が多いですね。人口減の日本の将来を象徴しているように思えますね。 日本に住んでいる外国人も多くて、外人さんは珍しくもなんともない時代です。

今日は、ニュージーランド、オールブラックと南アフリカの対戦。南アフリカの長男の嫁さんから、Lineで実況中継のようにメッセージが届いてます。流石にアールブラックスは強い。 ペナルティーキックで南アフリカが3点先取したと思ったら、2回目のペナルティーキックを外して、流れがニュージーランドに、さてどうなるか?

南アフリカの嫁さんが鳴くだろうな。

少なくともワンサイドで終わらないように。だって、このマッチは、実質上の決勝戦みたいなものでしょうから。 決勝リーグでも、多分この組み合わせになるのではないかと思います。



花瓶本焼き完了


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久々にこんな作品を作って見ました。花瓶の名称を付けにくい作品です。

荒々しい、岩石をくり抜いたような作品で、以外にいい出来ではないかと思います。


そこらに活けてあった花瓶から、花(草?)を抜き活けて見ました。

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京都の陶芸教室で、このような大物作品を作る人がいて、1m位のデカい作品。左の写真のように、たたらを一枚ずつ積み重ねているんだって。

私の場合は、水漏れをさせたくないので、細い筒を作って、薄いたららを沢山貼って行きました。素焼きが出来たら、叩いて、適当にたたらを割って、こんな形に仕上げて見ました。 半分は遊びですけど。

粘土は赤、筒の内側には釉薬、外は、ほとんど無釉の焼き締め。

電動轆轤で作った薄い丸い綺麗な作品も良いですが、どこかの山の堆積岩をくり抜いて作ったこんな作品もいいですね。


電動轆轤 大物作りの基本筒上げ

昨日に続いて、筒上げの話です。 今日は絶対やってやるとの強い意気込みでスクールへ。これが出来なきゃ、磁器土での大物つくりは無理。 同じ人間がやっているのだから、やれない訳はない。絶対出来る。

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これが、轆轤師さんが作った筒上げ。約3kgの粘土で、約、32cmの高さでした。それを切り糸で縦に半分に切ったものです。 少し乾燥が進み、今では約30cmになってます。

注目すべきポイントはこの肉厚。元々は円筒だったものですが、約10mmの厚さで上がってます。

当然下の方が厚くなってます。これが薄過ぎると、上の3kgの粘土を支えられなくなり、腰砕けの状態になります。

私の失敗作と対比させたらよく分かりますが、下の方の厚みが上の倍はあります。おまけに上はペラペラに薄い。何度も何度も上に上げようとした結果です。土は触れば触るほど、水分を含み過ぎて弱くなってしまいます。



轆轤師が教える”正しい、筒上げのやり方”


轆轤師さんは、筒上げは、土殺しで70%が決まると言います。そして正しいステップは以下の通りです。


① 菊練り 100回程菊練りをします。粘土の空気を潰すのはもちろんの事。粘土の硬さを均一にします。
② 土殺し 轆轤に載せて、土の塊を三角錘見たいにして、それを上げ下げすることで、土をしっかり締め、センターを出します。
③ チーズの形 土を下げて、円筒を作ります。
④ 穴あけ、 親指で中央に穴を開けて、轆轤の回転と指の力で中心に高台のところまで穴を開けます。
⑤ 穴を広げ、底を締める。私たちは”だんご”を作っていて、この木の小手で底をしっかりと締めます。

ここまでの作業が完璧に出来ていれば、筒上げは成功と轆轤師さんは言います。 でも、私的にはこれからが本当の筒上げになります。その前準備みたいなものですが、これらのどの作業もおろそかには出来ません。

筒上げをする前にで絶対に覚えておくことがあります。土はどうして上に上がるの? 左回転の場合は、右手が筒の内側。左手が外側を押さえます。いわば、土が、両手で挟まれ伸びて行きます。

でも、両手で挟んで圧を加えただけでは、土は横へ広がろうとします。

土は上に逃がすようにしなければありません。その為にどうするか、内側の右手が左手より少し上に在る必要があります。これで、逃げ場を失った土は、上の方に伸びて行きます。

もう少し具体的に言えば、右手の力で内側から粘土が外に押し出されます。この押し出された粘土の下を、左手で内側の右手の方に斜め目に押し戻すようにします。

この内側の右手と外側の左手の組み合わせを最初から最後まで維持して一体で上部まで動かすことで、土が徐々に上の方向へ移動して行きます。



私の失敗に学ぶ


私が上手く行かなかったその原因は、右手と左手の組み合わせが第一に出来ていなかった。

そして、最悪にも、この右手を左手の位置関係が途中で崩れていた。

外側の左手は徐々に上へ動くのですが、右手が別な動きをしたり、止まったりしている。

分かり難い説明ですよね。

例えば、ある時点から、右手の位置が左より下に来たらどうなります?土が内側から、押し出されるだけですよね。

もし、右手と左手が離れたらどうなる? 土は右手で押し出され、そして、左手で押し戻されるだけです。

だから、右手と左手の位置関係は、右手が10mm程常に上にあると理解しましょう。

実際の筒上げでは、内側の右手で土を外側の方へ押し出します。そして、その押し出された部分を左手人指し指で押し戻しつつ、上方へ押し上げます。 そしてこの形を常に保てば、土は絶対に上にしか上がりません。これが出来れば、土を掴んで、上に移動させていると言う感覚が分かるでしょう。 これが分かれば、成功。

あれほど苦労していたのが嘘のように上に上がるようになりました。 後は、練習を繰り返せば、3kgで、35cm位の筒上げは出来ると思います。 これが出来れば、次は磁器土でやるだけ。ついに掴んだ。



有田焼調、色絵大皿


大皿の焼き直しが完了しました。

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左の写真、上下逆になってますが、早速、上絵具で、着色をして見ました。

赤、黄、緑の三色。黄色は和絵具。他は洋絵具。

和絵具は、水で溶き、ふのりを加えます。洋絵具は水で溶き、膠液を加えます。これで、後は、濃さを水の分量で決めるだけ。失敗したら拭き取って、描き直します。

もう一つの大事なポイント、着色する前に作品を、ゼラチン液で拭きます。ガーゼにゼラチン液を付け、硬く絞って拭き、乾燥させます。数十分で乾燥しますので、これで、着色が出来ます。

左の写真の赤の点々の部分は、再焼成の時、又、鉄分が窯から落ちたようで、黒の点々が沢山出てました。これを赤い点々で隠したものです。折角上手く行っていたのに悲惨。

出来上がりが悪いようであれば、本金で赤の点々を金彩したら良いと、轆轤師さんが言ってくれました。でも、有田焼調の金彩はないだろうと思います。 どう仕上がるでしょうか? 色絵はまだまだ遠そう。


やっぱり大事にしたい染付の技術と作品 プロが教えてくれない呉須購入ルート 海外でも名の通った超一流のメーカーの仕入れ先

今日の陶芸は不調でした。あれだけ、YouTubeで筒上げの研究をして、二三のポイントを掴んで、今日こそはとの思いで、意気込んで京都に行ったんだけど、上手く行かなかった。

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朝一番に、10kgの信楽の白を注文。そして、それを三分割。一分割、約、3kg強の重さ。

まずは、轆轤師さんにサンプルの作成をお願いした。

それは、懇切丁寧に手順を1つずつ説明をしながら、手ほどきをしてくれた。

そして、出来上がった作品は高さ約35cm。これを轆轤師さんの了解を得て、縦半分に切り糸で切った。

これが、私の手本。自分で挽いたものを同じように半分に切る。 やっぱり、問題は二つ。底の高台の部分が部厚い。轆轤師さんのは、1.5cm程度。私は2.5cm 1cm厚の粘土が無駄になっている。おかしいな針を刺してチェックしたのに。そして、次に案の定というか、下、10cm辺りの壁厚が、極端に厚い。

轆轤師さんのものは、一番上が10mm程度、そして、下の方へ行っても、せいぜい15mm程度に収まっている。やっぱりな!

下の方に土が溜まっているのは見れば分かる。でも、この土を持ち上げれる技術がない。轆轤師さんにいろいろな手の組み合わせを教わっても、土が一向にいう事を聞かない。原理は分かっているのに。土を内側の右手で外に押し出し、そして押し出された土を元に戻してやるように、左手で、引っ掛けて押し戻す感じで、徐々に上げて行く。 そうすれば、右手と左手で挟まれ、壁厚が薄くなり、そして逃げ場を無くした土は、上へ上へと移動して行く。

だから、内側の右手の土を押している指は、外側の左手人指し指の上に来るような位置関係になる。

でも、これが出来ない。 理由は大きく二つ。右手と左手が一体になってない。時々、指の位置関係が逆になる。これでは、土を下へおすようになる。もう一つは、右手と左手の力のバランスが取れていない。

これから、毎日やろう。出来るまで。その練習のために信楽の白を購入したんです。 これであれば、失敗しても菊練りをやれば、又使える。磁器土ではこれが出来ない。



染付作品


失敗ばかり書いていると気持ちが滅入って来るので、成功事例を紹介します。

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6インチの磁器皿です。簡単な染付をして見ました。

如何でしょう。呉須の発色がきれいでしょう。 やっぱり染付は、磁器に限る。 そして、焼成は還元焼成。

この磁器皿は私が轆轤で挽いたもので、少し、高台の高さと太さにバラツキがあるけど、上手く出来たと思ってます。 100%の磁器だけに地肌が真っ白。 やっぱり、半磁器とは違う。

もう一つ、大事な発見がありましたよ。それは呉須の質。 私の呉須は窯元が、一か月間連続で、ポットミルで練ったものです。ですから、筆に付けるとトロ~としてます。高級な化粧品の乳液と思って貰ったらいいかな。

実は昨日紹介した、タンブラーの絵付けをやったんですが、黒の呉須を使おうと思って、以前に使っていた黒呉須を引っ張り出して使ったんだけど、全く話にならない。

何やら、黒い砂で、絵付けしているように感じる。

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面相筆に付けて、線描きをしたくとも、呉須が流れてこない。

そして、呉須の器を見ると、底に、小さな砂粒見たいのものが見えます。

以前に乳鉢でかなり磨り込んだとはずなのに。

やっぱり、呉須は大事ですよ。多分、窯元のプロの絵付師さんでもこの呉須では絵付け出来ない。

皆さんへの大事な情報の提供です。私が有田に行った時に”岸川絵具”と言う会社に行ってきました。 この岸川絵具は、有田をはじめ、この地域の超一流の会社などにも絵具を販売しています。ちなみに私が通う、京都の窯元も実はこの会社から、呉須を購入して、独自の配合をしてます。ですから、染付を本格的に目指す方は、是非、この会社の絵具を使って見て下さい。岸川絵具店ホームページはこちらから⇒クリック

陶芸の小さな専門店かなと思って行ったんですが、大きな会社でした。 呉須のサンプルキットも販売されてます。

あなたの染め付けが驚愕の変貌を遂げる事間違いなしです。

少しの練習は必要でしょうけど。 私並みにはなれますよ。


ノーマン陶芸放浪記 鍋島青磁 本物は違うな!

江戸時代に佐賀藩(鍋島藩)は、有田で制作していた献上用の焼き物を、大川内山の移転させます。

製作技法が他に漏れないように大川内山(伊万里から、バスで20分程)。ここで焼かれた献上品は「鍋島」と世ぼれ、その精緻な造形と優雅な作風は、近世陶磁器の最高峰と言われるそうです。

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この伊万里鍋島焼は、大きく三つに大別されます。①色鍋島②鍋島染付③鍋島青磁

今日は③の鍋島青磁です。この大川内山の地域で、青磁の原石が発見され、この青磁を使った鍋島青磁が、今でも作られています。

左の写真がその鍋島青磁原石です。

こんな石から、あのきらきらと輝く青磁釉が出来るとは。ちょっと信じられない。



大河内山産出の青磁原石


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左の鍋島青磁を見て下さい。湯呑ですが、自然の青磁が掛けられていて、とっても綺麗な澄みきった、淡い青の作品です。 最近の青磁は合成されたものがほとんどで、この自然の原石を使ったものは、この大川内山でも、数軒の窯元だけだそうです。

 

鍋島青磁特有のきれいな青緑色をつくるのは、純度の高い青磁の原石。伊万里市大川内山でしか産出されない希少なものですが、その貴重な原石を粉砕し、水で溶いただけのとても贅沢な青磁釉を使っています。不純物が少ないため透明度が高く、澄んだ青緑色が楽しめます。

この謳い文句通りで、写真で見てもその見事さが分かると思いますが、本物は見事としか言いようのないものです。

青磁釉は通常は、三号石灰透明釉に、1~2%程度の弁柄を加えると作れます。弁柄の量を変えることで、青磁、青白磁、月白などの釉薬が作れます。

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鉄分が数パーセントですから、自然の原石を使うのはさぞ困難だろうなと思います。

私が買ったのは長春窯と言うところで、小さな窯元のようで、高齢の女性がこの技術について詳しく説明してくれました。余りにも高いので、一度は購入せずに店を出たのですが、やはり、ほしくなって、大枚をはたいてこの湯呑を買ってきました。

釉薬は数度塗って焼成をするそうです。その為に、作品は腰から、高台周りが分厚くなってます。


やっぱり本物はいいですね。 これは、私の宝にしたいと思います。

昔は、献上品として、大名しか使えなかったものですから大事にしたいですね。

一度、自分で配合した、青磁か、月白釉を作って見ようと思います。

今回、感動した井上萬二窯もこの流れなのかな?


ノーマン陶芸放浪記 タンブラー絵付けのいろいろ

今週は連休で、自宅で絵付けをします。

鋳込みのタンブラー4個を持ち帰り絵付けをしました

絵付けは結構集中力と根気みたいなものが必要で、自宅でゆっくりして気分が向いた時にやります。

この方がいい絵付けが出来るし、高い授業料を払っている分スクールでしかできないものをやりたい。

4種類の絵付けをやって見ました。



有田 色絵の作品


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こちらのタンブラーには、色絵付け用の下絵を呉須で描いてます。

基本的には、下絵は呉須のみの仕上げで、呉須は、筋呉須と言うものを使いました。

本当であれば、赤の発色良い下絵具があれば、それで描くのですが、手元に発色の良いものがありません。

こちらは、石灰透明釉を掛けます。

そして仕上げには、赤、緑と黄色の上絵具で仕上げます。



下絵具での絵付け


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こちらの作品は、呉須で仕上げて見ました。呉須と言っても、通常の呉須と色呉須の併用です。

この作品で出来不出来は、色呉須の発色次第という事になります。

特に赤色の発色が少し懸念されるところですが、もし、発色が悪い場合は、部分部分を上絵付する予定です。こちらも仕上げは、石灰透明。

この写真を良く見て下さい。絵に、結構メリハリを感じませんか。 下絵具は、皆さんが使うものと同じです。

何が違うか。 それは、下絵時点での骨書きの違いにあります。これも筋呉須を使ってますが、細い線で上手く描けてますので、色を邪魔することはないと思います



日本昔話の絵付け


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そしてこんな絵付けも。

本当は呉須のみで仕上げようと思っていたんですが、何となく、着色をした方がいいのかなと思い。軽く色を塗ってしまいました。

絵柄は、”花咲じいさん”なんですが、おじいさんが船に乗って、手の先から虹。 そして、頭上には桜が咲いていると言うもの。

そうなると、桜や虹には軽く着色をして方が良いかなと、思わず色を付けてしまいました。



墨吹きの絵付け(鍋島様式 墨はじき)


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皆さんの中には、”墨吹き”の絵付けをご存じの方も多いと思います。

この絵付けの作品を有田で見て来ました。

有田の三右衛門の事は書きましたが、この技術は鍋島藩窯の技術である事はご存じでしょうか?

この墨はじきのの技術は多分皆さんが知っている、霧吹きで、釉薬や呉須を掛けるやり方とは違います。

以下は今右衛門窯のホームページからの抜粋です。

墨はじき」とは、江戸期から鍋島ではよく使われた白抜きの技法である。技法の手順としては、まず墨で文様を描き、その上を染付で塗る。すると墨に入っている膠分が撥水剤の役目をし、墨で描いた部分が染付の絵具をはじく。その後、素焼の窯で焼くと墨が焼き飛び白抜きの文様が現われるという、染織のろうけつとよく似た技法である。

 
鍋島ではこの「墨はじき」による白抜きは、主文様を引き立たせるための脇役の表現方法という目的を感じさせてくれる。「墨はじき」によって描かれた個所は、染付の線描きされた個所と比べるとやさしい控えめな印象を与える。鍋島ではその特性を最大限に生かすために、この「墨はじき」が主文様の背景に使われることが多い。染付で描いてもよさそうなところを、あえて一手間二手間かけて、主文様を引き立たせるために「墨はじき」の技法を使い描く、鍋島らしい神経の遣い方である。私はこの控えめではあるが、白抜きの奥深い魅力に惹かれ、背景を描くだけでなく、主文様の部分にも取り入れ作品に生かす努力をしている。

上の作品は、私のもので、習字用の墨汁の原液を面相筆で書いて見ました。どの程度の膠分が入っているかは分かりません。ので、どの程度の”墨はじき”効果が出るが分かりません。

このホームページには、墨で描き、その上を染付で塗るとありますが、呉須を筆で塗ると斑が出ますので、霧吹きか、コンプレッサーで吹きかけを考えてます。 そしてもう一度素焼きをすると、墨で書かれた部分が白抜きになります。14代目の今右衛門の展示間で見たものは、白抜きされた磁器がキラキラ光、素晴らしい商品でした。 そして、このホームページを見て初めて知った。江戸時代からの技法だったんだ。



大物丸形壺の製作 やっぱり成功の鍵は筒上げ

今日も昼間は暑かったですね。おまけに昼過ぎにはあの大雨。

こんな天気予報だっけ? 雷と大雨のために食事も一時間位ずらして。

風をひいいたようで、目はしょぼしょぼ、鼻水が止まらない。 最近は、夜でも温度が下がらず、扇風機の風を直接体に当てたのが失敗でした。

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そんな状況下で、今日もあの大型壺に挑戦したんだけど、結果は見えてますね。

左の作品は、サンプルです。有難いことにこのスクールでは、プロの轆轤師さんが自分の作りたいもののサンプルを作ってくれます。

これは、私が失敗した磁器土の残り半分で、土が乾燥して普通より相当硬くなっている。 轆轤師さんもこの土には相当苦労してました。硬い上に、部分部分で硬さが違う。 そういいながら、30分程度でこの作品。縦方向が約235mm、直径 252mm。



第4作目


第一作目は、少し下半分が楕円になってましたね。

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今日は、新たな磁器土を準備しました。磁器土は8KGで一本。価格は1300円。これを半分使いにすると4kg。 轆轤師さんからは、4.5kg位で少し土を多めにしなさいと言われてました。

昨日のサンプルの製作で、4kgでは少し少ないとのことでした。

轆轤師さんがいつも言うことは、このような大物の作品の成功の秘訣は、土殺し。土を轆轤に載せて左右の手で、締めてやって土を上下させるあのやり方なんですが、土を一定の硬さにしたり、土のよじれなどを取ります。

この土殺しを入念にすることによって、土がきめ細かに、スムーズに動いてくれます。

そして、今回の作品を作るためには350mmの高さの筒上げが必要だそうです。そんな無茶な! 出来る訳ないやろ。

磁器土は硬い。だって石ですから。そして、失敗が出来ない。通常の粘土であれば、荒練り、菊練りをすれば、もう一度使えるのですが、磁器土はこれが出来ない。だから、やり直しがきかない。


土殺しまでは上手く行ったのですが、筒上げが30cmしか上がらない。 いろいろな手の組み合わせをやっても土が上がってこない。

原理的には簡単。 筒の下半分が20mm以上ある。この半分の土を上に持って行けば良いだけ。

轆轤師さんが横に座って、アドバスを受けながらなんですが、土は触れば触るほど、水を含んで弱くなって行きます。

32cm位でギブアップ。結局は轆轤師さんの手を借りることに。

やはりプロの手にかかると出来るもんですね。 よれよれになった筒が、5回ほどの手入れで、34cm位になりました。

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その後の膨らましは、バトンタッチして貰って、私だけで。

昨日、プロのやり方を教えて貰ってましたので、これは出来ます。

垂直の筒を下側から手で内側から押して、膨らませて行く。そして、ある程度出来たら、図面に合わせて作っておいた、へらで形を整えて行きます。今見ると、口が少し大き目ですが、形は良く出来ました。

クラスの若い女性が”すごくかっこいい作品ですね。”と言ってました。

やっぱり、課題は、筒上げ。困った。この部分は、以前と変わっていない。 轆轤師さんと相談しているのですが、筒上げだけを徹底して練習してやったらと言われてます。 おぼろげに原因は分かっているんですが、内外から挟んでいる手の位置がずれたりして、最初から最後まで挟めてないようです。磁器土ではなく、陶土で、2kgを最大引き上げる練習をする。1本10kgですから、2kgの球をつくり、30cmを目指す。先生にサンプルを作って貰って、縦に半分に切る。 そして、自分のものも出来たら、縦半分に切る。これで、どこに、土が残っているか分かります。これを何とかしないと、これ以上の大物は作れない。



尺1大皿の本焼き


今日は、ビアタンブラーが3点、菊皿3点、7寸皿4点、そして待望の色絵皿が出来て来ました。

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左の写真のお皿が上がって来ました。ほぼ、予定通り。花の骨書きに使った、赤の下絵具の発色も良く、思い通りの出来です。

少し、淡泊に感じる方も多いと思います。でも大丈夫。これの最終形は色絵皿です。ボタンの花びらは、テストで赤の着色をしてます。そして、菊の花は全て黄色。上の方の菊の花びらは、黄色で着色しております。

葉っぱは多くは染付の藍色ですが、部分部分では、緑と黄色で着色をします。少し、染付の呉須が薄かったかも知れません。

話は変わりますが、柿右衛門様式は、空白を大切にするそうです。そういえば、柿右衛門の絵付けは、作品全体には絵付けはしてありません。今回の絵柄も、有田の色絵の伝統を受けついでます。

この作品はもう一度、本焼きをします。裏側の石灰透明釉に一部縮れ(欠け)があり、職人さんから、修正してもう一度本焼きするように言われてます。 その本焼き後、今回の着色をします。そして、もしかしたら、縁に金彩を施すかも知れません。そうなると、上絵付の焼成が2回になります。金彩は、通常の800度の上絵付と焼成が変わります。




他の作品は別の機会に紹介します。陶芸は簡単ではありません。それはそうですね。人間国宝さん達が作っているような作品を作ろうとしているのですから。

では。

陶芸スクール再開 井上萬二氏の作品へのチャレンジ 

陶芸スクールが始まって、先般のぶらり旅の結果を出したいと頑張ってますよ。

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左の写真、前回のブログに載せた写真ですが、井上萬二窯の軒先に並べられていたものを撮影したものです。

ギャラリーの方は撮影禁止ですので、乾燥させているところを撮影させて貰ったものですが、手前の方は、鋳込みの型、そして後方の二列が花瓶。 相当大きなもので、仕上げで違うと思うのですが、40万円程の正札がついてます。流石に人間国宝さん。。



白磁丸型壺の製作


やっぱり半端なく難しい。 先日の第一号は磁器土の硬さに問題があり、土殺し・ドーナッツ作りの部分で失敗したとお伝えしましたが、昨日今日の二日間で、三点の作品をつくりました。

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これが第一号。一応、壺の形にはなりましたね。でも、思ったサイズには仕上がってません。一つは、土が約4kg弱と少なかった。 そして、もう少しフォルムのまん丸に仕上げたかったけど、丸の下半分が少し縦長になってしまった。

下の部分が丸味を帯びていたら、かなりいい作品になっていた。このままでも良いフォルムなんですが、当初意図したものと違うと言う点で×です。

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土殺し、ドーナッツと進んで、次の工程の筒上げ。この筒上げは、この240 X 240mmの作品であれば、300mmの高さに筒上げをする必要があります。

この30cmと言うのが課題で、4kgの粘土を5kgに増やしたとしても、高くは上がりません。 要するに、下の方の土を技術で上に移動させる必要があります。

この筒上げは私がやったものの途中ですが、高さは25cm程、直径は約10cm。このサイズだと、腕が中に入りますので、轆轤を左回転させ、右手が内側、左手が外側で、手は”ぐ”を作った形で、両手を合わせて土を挟み、その力で土が上へ上へと移動して行きます。

写真では綺麗な真っ直ぐの筒上げに見えますが、4kgでこの程度の高さと言う事は、下半分が15~20mm程度の厚みになっていると言う事です。多分28cmは何とか上げれても、それからの2cmが大変で、なかなか上がってくれません。原理的には簡単なのに。 単に下の方にある分厚い壁の粘土を、上に伸ばして移動させて、均一な壁厚にするだけです。でも、これが出来ない。 そこが陶芸の技術力の差と言う事になります。


今日は、第2、第3作の写真は撮り忘れてますので、明日、紹介しましょう。

そして、夏休み前に作った作品の還元の本焼きの窯出しが明日で、直近の作品の紹介が出来るでしょう。 もっとも期待するのは32cmのお皿。下絵付けがどう仕上がるか、そして次の工程の上絵付けへ。有田の色絵第一号作品です。



では。

九州肥前地区 窯元巡りぶらり旅 総集編

久々の九州訪問と、肥前の窯元巡りの旅面白かった。

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自分の福岡の実家から、一時間程度の地域にこれだけの素晴らしい陶芸の歴史があるとは、思いもしなかった。

有田焼位は知っていても、伊万里や鍋島焼。 波佐見焼など聞いたことはあっても、その違いは分からないし、区別も出来ない。

枚方市の陶芸教室に通い始めたのが、8年程前、とてつもなく重いマグカップから始まって、それからと言うもの、陶芸にどっぷり。 

常にもっと上を目指したいとの気持ちがあり、昨年からは、京都の窯元で勉強を始めて、未だに自分の目指す方向が分からない。

今回のぶらり旅は自分の陶芸の方向を何とか見出したいとの強い思いの旅でした。



この地域の特徴と陶芸


この地域で作られる陶磁器は、全てが伊万里焼きと言われて(現在は古伊万里)いただけあって、共通点も多い。 まずは、全てが磁器である事。これは、有田で、日本で初めて、磁器土が発見されたことによる。 そして、その発見者である李参平が朝鮮から連れてこられた陶工で、多くの朝鮮の陶工により、磁器制作の技術がもたらされた。

だから、原点が同じであるからして、その技法共通するところが多く、伊万里焼の特徴である、色鍋島、鍋島染付、鍋島青磁に分けられるのでないかと思います。 色鍋島は、白磁に染付と、赤・緑・黄の三色を基調としたもので、赤絵の世界。 柿右衛門様式は、白磁の替わりに濁し手と言われる素地が使われる。これは、磁器だけの光沢のある素地ではなく、仕上がりの素地がマットになっている。 柿右衛門の絵付けでは、この濁し手の方が最も色絵が映えるそうです。 でも、所詮は赤絵(上絵付け)ではないかと思う。

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染付は、説明の必要もなく、呉須の藍色で描かれたもの。

鍋島青磁は、青磁原石が、この地で産出されたため、これを磁器に釉として使われた作品で、自然の青翠色の光沢が神秘的な美しさを醸し出します。

後の大きな違いは、鍋島焼は、献上品であった事、有田は、古伊万里として、海外に出荷され、ドイツのマイセンなどにも大きく影響した。波佐見は、くらわんか碗に代表されるような庶民的な器が作られてて来て、現在も庶民的な作が多い。



人間国宝 井上萬二窯


皆さんは、井上萬二氏については良くご存じかも知れません。今回、有田の観光案内所の方から言われて初めて知りました。”柿右衛門窯に行きたい””と言ったら、”その隣の井上萬二窯も、是非行って下さい”と言われて訪問しました。そして、その作品のすばらしさに感激。見た途端、”これはすごい””、これをやって見たいとの念を強く抱きました。

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 そして、そのギャラリーで、”井上萬二さんについては良く知らないのですが、何か書いたものはありませんか?”と厚かましくも言ってしまいました。 そのギャラリーには、カタログなんかありません。

そこで、経歴を書いたものを貰ったら、人間国宝である事、そして、今は92歳くらいで、まだ現役であることを知りました。

皆さんには必要ないと思いますが、

井上萬二窯は、白磁を追及する重要無形文化財指定(人間国宝)の陶芸家、井上萬二(いのうえ まんじ)が佐賀県有田町に開いた窯元。
だそうです。

このギャラリーでは写真撮影は不可と言うことで、まだ、ご存じない方は、こちらのをクリックしてください。⇒井上萬二窯ホームページへ

ホームページを見ただけで感動ものです。そこに掲載されている作品の数々。白磁、青磁の花瓶などなど。

この方は、柿右衛門窯でも修行をされているようですが、柿右衛門様式ではなく、無垢の青磁、青白磁、白磁などを追及されているそうです。

こうしてくどく書いているのは、自分もこの道に進みたいと思ったからです。

先週、早速、ホームページから、20 x 20cmの作品を印刷して、作陶図を作り、道具も準備しました。

そして見事に失敗。使った4kgの磁器土が硬くて、土殺しが上手く行かず、粘土の中心にぶれが出てしまいました。こうなると、土殺し、ドーナッツ、筒上げの工程で、粘土の厚みが違ってしまいます。 それを薄く更に伸ばしていくと、最後には、土の厚みに偏りが出て、これがぶれの原因になります。 これでは、人間国宝さんが作るような作品が出来る訳がない。見事失敗しました。

寸法的には、24 x 24cmの丸を作るだけで、技術的にはかなり難しいものになりますが、これが磁器土であると、更に数段難しくなります。来週からも作り続けて行きたいと思います。



赤絵、上絵付


柿右衛門窯の作品は思い通り、素晴らしかった。現在は15代の柿右衛門。テレビニュースなどで流れていた”七つ星”に納入されていた洗面所の作品も展示されていた。

有田の色絵が始まったのが、1640年代、酒井田柿右衛門が成功したのを機に始まったと言われる。これで、それまで、染付のみの単色の世界から、多彩色になったそうです。

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京都の清水焼でも上絵付けはしますが、これ程のど派手さはありません。

そして、この上絵付についても是非追求をして見たい。。。。欲張りな話ですが。。

実は、有田に行く前から、32cmの大皿の素焼きが出来上がってました。 染付にするか、色絵にするか迷っていて、有田でいろいろなものを見て決めようと思ってました。

そして選んだのがこの左の写真の色絵。取り敢えず、下絵付けを完了して、今週末は本焼きをしてます。

来週、月曜日には、早速、赤、緑、黄での上絵付をして、伊色絵の大皿を完成させる予定です。

このお皿は、所謂尺皿で、尺1(尺は30.3cm, 1は一寸の事)の大きさになりますので、迫力のある作品になると思います。少し心配するのは、底割れ。磁器ですのでその可能性はゼロではありませんので、陶芸の神様に祈るのみです。


話が変わって、今年の目標であった枚方市工芸展の出典ですが、このため、尺2の大皿を作って本焼きまで出来てます。ゆうたさんに言われて枚方市のホームページを見たら、何と締め切りがすでに過ぎていました。枚方の役所に電話をして、何とかならんか交渉をして見たんですが、8月24日の期限を過ぎているため、不可となりました。。。。残念無念。

枚方市の展示会と言う事で、ちょっとあまく考えていたことが問題でした。 市の担当によれば、書類と写真審査があり、”出展作品が工芸品であるかの審査があります”とのことでした。

 36cmの大皿は、”白磁、鎬(しのぎ)大皿”(仮称)と言います。磁器土のお皿、内側に手彫りで24分割にしのぎを手彫りしました。



誰かの声が聞こえたような気がする。”お前の陶芸はまだまだ。慢心するな”見たいな。。そうだよね。まだ京都に行き始めて一年ちょっと、まだ早いかもね。。

九州ぶらり旅 佐賀県 伊万里・大川内山

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長崎から、再び佐賀に戻って。波佐見から、乗り合いタクシーで有田に戻って午後の散策。

夕方に有田の駅で、伊万里駅を目指します。列車は一両。そして、松浦鉄道は例によって単線。

ちょっと余談ですが、今新幹線が延長されようとしてます。武雄温泉駅はすでに新幹線駅の工事が始まっていて、ここから、長崎に新幹線が開通するようです。

でも、なぜ、お客さんもまばらで、特急が停車しない駅のプラットフォームには、ドアが開くと、コンクリートの間から、ぺんぺん草がはえている。これほんとうです。列車の乗客が乗り降りするところに、背の高い草が生えている。如何にお客さんが少ないのかわかりますね。

こんなところに何故、新幹線が延長されるのでしょう。この国の行政って本当に分かりませんね。



伊万里へのアクセス


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大阪方面からであれば、新幹線が便利。さくらが新鳥栖に止まります。 新鳥栖で、特急に乗り換え、有田まで。

有田から、松浦鉄道で伊万里。

今回の私のルートですが、これが正解のようです。

もちろん有田の散策をしましょう。次が伊万里と言う感じですね

伊万里焼きを見るのは、大川内山(おおかわちやま)と言うところに行きます。 伊万里の駅から、バスで20分程度。

大河内山での宿泊は出来ないので、伊万里に泊まります。伊万里市は佐賀県の2番目の都市ですが、宿泊先も限られてますので、早い時期に宿を押さえた方が良いと思います。

私の場合は、宿が取れず、やむなく、”伊万里本陣”と言う、一泊1700円のカプセルホテルもたいなものを二泊予約したんですが、このようなホテルは初めてで、2日目は、高くても他のホテルを取りました。

カプセルホテルはプライバシーもないし、貴重品を預ける金庫もありません。 若者にとっては良いかも知れませんが、私はノーサンキュウです。1700円プラス清掃費800円と言うのを損したけど、これもいい経験でした。 

折角だから、近くの温泉宿を素泊まりで予約した方が良いかも知れません。 唐津も近いし、多くの温泉があります。




秘窯の里、大川内山の歴史


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江戸時代に佐賀藩(鍋島藩)は、主に将軍家や老中など幕閣への献上用として、焼き物を有田で制作。

1660年に鍋島藩は製作技法が他に漏れないように、有田から、厳しい地形の大川内山に藩窯を移転させます。

入口には番所が設けられ厳重に管理されます。

陶工たちには給料が与えられました。

この献上品は「鍋島」と呼ばれます。現在の窯元は藩窯で培われた高度な技法を受け継ぎながら新たな技術を取り入れ、350年余りの歴史を現代に受け継いでます。



伊万里焼きと鍋島


前述のように、鍋島藩御用窯で作られた焼き物を鍋島と呼びます。その伝統を受け継いだのが現代の伊万里焼です。

江戸時代から明治にかけて、伊杏里、有田地方のや鋳物は伊万里港からつい出され、その当時の焼き物を古伊万里と言います。

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伊万里焼きは、①色鍋島 白磁に染付と赤、緑、黄の三色を貴重とした美しい上絵が描かれてます。

②鍋島染付

③鍋島青磁



伊万里 秘窯の里 大川内山 YouTube動画



九州ぶらり旅 長崎県 波佐見町

有田町の散策はひとまず終了して、次は長崎県の波佐見町に移ります。

佐賀から、長崎へとお思いでしょうが、有田町と波佐見町は隣の町で、有田の駅から、波佐見町までは、10分程度のところにあります。



波佐見町へのアクセスと乗り合いタクシー


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JR有田駅から、タクシーで10分。 残念ながら、バスは運航されていないようです。

そこで便利なのが乗り合いタクシー。乗り合いタクシーの予約をしておけば、タクシーが波佐見町へ連れて行ってくれます。 このタクシーは乗り合いと言う事になってますので、他の客があれば、乗り合いになります。 有難いのはその料金。 一日1000円。 有田から、最初の便は10時10分。観光に必要な主な拠点では止まります。大体、一時間に一回運航のスケジュールが組まれており、10分ほど前に予約の電話を入れれば、迎えに来てくれます。

それ程大きな町ではありませんので、中尾山の交流会館と観光交流センターの2か所で、一日の観光には十分。

初めてで、波佐見町観光ガイドが必要であれば、これも予約しておけば、ボランティアのガイドさんが案内してくれるそうです。大体、2時間のコースが5つほどあります。

①資料館と西の原(散策) ②中尾山窯元巡り(散策)③旧宿場街道(散策)④三股陶石場と窯跡(車+散策)⑤古窯跡巡り(車+散策)

料金は一人500円、超過料金 200円/30分毎 1~15名にガイド一名 車のコースは自分で準備


波佐見町へいざ出発


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10時10分の朝いちばんの乗り合いタクシーを予約しておきました。

時間通りにタクシーが、有田の駅前の観光案内所の前に。 1000円を支払い領収書を頂きます。これで、一日、何度でもこのタクシーに乗れます。

事前に波佐見町の観光案内所に電話をして、波佐見町でも一番奥の中尾山交流会館まで行くことにしました。

中尾山の周辺に波佐見町の窯元が多く集まっていますので、窯元を訪問したいと思ってました。

まずは交流会館。 タクシーでつくと、その日の客の第一号。少し高台に2階建ての交流会館が。

交流会館って何? 要するに販売所です。この中尾山周辺の窯元(18)の波佐見焼を展示・販売をしている場所で、展示品を見て、気に入った窯元を訪問するのが、窯元巡りのお勧めだそうです。

そこには年配の親切な女性が一人、いろいろと話をして、主要な窯元を教えてもらって訪問へ。訪問と言ってもそれぞれの窯元が店を構えていて、その商品を見て気に入れば購入することになります。

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交流会館からは下り道、地図を見ながら、あちこちの路地に入りながら、散策。 こちらにはレンタサイクルもあるそうです。脚に自信がある人は、これもありでしょう。料金は、4時間まで、500円、4時間以上 1000円

波佐見焼と有田焼、明らかに違いますね。400年の歴史のある有田焼は、高級で、値段も高級。 波佐見焼は、いかにも庶民の食器と言う感じ。ここで、くらわんかの食器が作られ大坂に運ばれていたそうです。

次のタクシーを予約して、波佐見のくらわんか館(観光交流センター)へ移動。時間通り、迎えに来てくれた。この日の予約客は私だけらしい。でも、なぜ1000円で採算がとれるの。。そこで、運転手さんに聞くと、”波佐見町が負担してるからです”だって。納得 



くらわんか会館、やきもの公園


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観光交流センターの二階には資料館(展示室)があり、波佐見焼の歴史を学べます。そしてくらわんか館では陶芸体験もできるそうです。

一回には、波佐見焼の販売所があり、波佐見町内35の窯元の商品が展示販売されてます。

兎に角、波佐見焼は安い。私みたいな庶民にとってはお手軽な商品が多い、有田で、散々気化された波佐見は雑貨と言う感じです。 ここで、染付などの気に入ったものを沢山購入しました。商品の多くが転写です。要するに大量生産されたもので、有田の手描きのものとは明らかに違います。有田で散々、高級品を見て来ましたので、見るとその作品の良し悪しが分かるようになって来ました。 所謂、目が肥えてきたようです。


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資料館の横には焼き物公園があり、世界の窯広場には、世界中のいろいろな陶芸窯が作られています。日本の登り窯、穴窯、景徳鎮の何とかと言う窯、10種類以上のものが作られてます。

観光客の誘致策と思いますが、何となく税金の無駄使いにも思えるのですが。。。

興味があれば、以前は、窯元が営む製陶所だった西原地区の散策がここから出来ます。その建物を活かした、雑貨店やカフェ等が並ぶお洒落スポット。


以上のように波佐見では、多分一日は必要ないでしょう。 私は、乗り合いタクシーで有田に戻ってその周辺を散策することにしました。その日に伊万里に移動し宿泊。次の日は、伊万里、鍋島藩焼きの郷大河内山へ。

Youtube ビデオ 限定公開




コンブラ瓶はポルトガル語で、陶磁器の輸出だけでなく醤油も輸出されていたそうで、その醤油を入れる容器がコンブラ瓶だそうです。

九州ぶらり旅 有田続編 九州陶磁文化会館

今日は、九州陶磁文化会館を紹介します。

JR有田の駅から、徒歩で約12分。 ですから歩いても大丈夫なんですが、会館が丘の上に在りますので、徒歩では結構きつい。

ですから、タクシーがお勧めかも? 有田の駅からワンメーターで行ける距離です。

有田駅周辺のスポットの一つで、有田ポーセリンパーク、柿右衛門窯、源右衛門窯、井上萬二郎窯などが良いと思います。

それぞれ距離がありますので、タクシーを乗り継ぐか、レンタカーなども便利かと思います。

私の場合はタクシーでした。



佐賀県立、九州陶磁文化会館


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この文化館には、歴史的、美術的、産業的に重要な陶磁器資料が展示されています。

佐賀県の施設ですから、特別展を除いては無料で見れます。

何と、展示場が5つもあり、ここを見るだけで、九州の陶芸や歴史を知ることが出来ます。

私が行った時には、特別展の準備の為、”九州の陶磁の歴史”の第4展示室、そして、”柴田夫妻コレクション”の第5展示室しか見れませんでした。

それでも、これでもかというほどの展示品が見れます。

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第4展示室の”鎌原コレクション”は、輸出伊万里の展示は圧巻。

又、柴田夫妻から寄贈されたと言う、江戸時代の有田磁器が展示されていて、有田磁器の変遷を見る事が出来ます。



タイミングが合えば、第一展示室での個展やグループ展も見れるでしょう。

そして第二展示室の「現代の九州陶芸」なども見れるでしょう。

第二展示室の前の「有田からくりオルゴール時計」も面白い。大きな時計が磁器で作られており、30分毎にからくり時計が動き出し、人形が動き出し、オルゴールの音楽が流れます。 

下のビデオで見て下さい。



九州陶磁文化会館 展示物ビデオ


こちらもビデオを限定公開します。

三脚を持って行かなかったので、手振れがひどく余り見せたくないのですが、作品を見たい場合には、一時停止をしていただければ、見れると思います。