陶芸 マグカップ製作 プロの職人の技に学ぶ ”弘法筆を選ばず” 陶芸のプロは筆を選ぶ

この夏休みの間にもう一度基礎をやり直そうと、マグカップを作る事にした。

窯元から、白粘土10kgを購入して持ち帰って。

基礎って何をしようと言うのか?

陶芸の基本と言うのは、”湯呑に始まって湯呑で終わる”と言われますよね。今目指している陶芸は結局これではないかと思います。

陶芸スクールに入ってまずやった事はこの湯呑作り。まず、図面を書いて、粘土の縮の率を計算して(覚えておこう。私たちが使う信楽の粘土は、横 17%、縦方向 15%で計算します。)、作陶の図面を作る。 これが、第一の目的。第二の目的は、これが作品のイメージ図になります。この図面を見ながら、轆轤挽きをします。

プロの轆轤師であっても、この図面を見て挽きます。同じ作品を沢山作るんですが、この図面がないと、少し油断をすると違ったものを作ってしまう。

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当然、この図面を元にトンボ、だんご、へらの道具を作りますが、これがあれば、同じものが作れるかと言えば、答えは”NO"なんですね。トンボで内側の高さと直径は決まり、だんご、へらで形を作っていくんですけど、この図面がないと思った形状のものが作れません。



マグカップの製作


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そんな事を言いながら、マグカップを作って見ました。 

なぜマグカップ? マグカップは、湯呑に取っ手を付けたようなものですから、同じではないか?~~これが私の心の弱さなんですね。 湯呑と決めたら湯呑を作ればいいのに。実はこの前にもマグカップを作ったんですが、少し小さすぎたので、大き目のものの道具を作っておいたんです。


上の写真のようなものを作って見ました。

今回作ったのは三個、昨日の三個を合わせて六個。

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少し不細工な出来上がりに見えますね。その通りなんですが、心配は要りません。内側の大きさや形が同じであれば、後は削りで同じ作品に仕上がります。

この三つの作品は、750~900グラム。この重さの違いは主には、高台部分の厚みです。轆轤で挽くときは、高台の下にもう一つ段を付けます。それは、切り離す時に指が入り、持ち上げられるスペースがいるからです。そうしないと切り離す時に作品が歪んで楕円になります。

半乾燥した後、削りの作業を湿台を使ってやります。この三つの作品全てが、最終的には300グラム以下になってます。

これだけの大きさのの作品で300グラム以下にしようとすると、作品の厚みは3mm程度にする必要があります。そうなると湿台で削らないと、均一な薄い削りは出来ません。

私の場合は、時々このように量りを使って削ります。 このような作品の場合、350グラム程度に削ることはそんなに難しくはありませんが、300グラムを切ろうとすると、全ての贅肉をそぎ落す必要があります。まずは、余分な高台部分を削り落として、約400グラム。 そこからが大変で、重さを量って削ると、全く誤魔化しが効きません。

300グラム以下となると、当初の三分の一ですから、半端ではないですね。でも、この削りが出来ないと、使い勝手のいい作品にはなりません。



覚えておきたい削りの技術 プロの職人の技


陶芸スクールで学んだ事は削り。 ここがプロと陶芸教室では大きく違う。

”弘法筆を選ばず”と言う言葉があるけど、陶芸に関しては”筆は選ぶべき”と言うのが正解。

正しい道具と技術があって成り立つ。

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まずは道具。 絶対に必要な湿台。湿台は、作品に合ったものを使います。

合うものがなければ、残土などで作ります。いい質の土は使う必要はありません。

少なくとも、白と赤の物はほしい。 磁器は白にガーゼなどを使えば大丈夫。でも、本当は、磁器を作るのであれば、磁器土の湿台がほしい。

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次はカンナ。教室では、輪カンナ(掻きベラ)を使う事が多いけど、これダメ。ミリ単位の削りは出来ません。鉄製のカンナを形状の違うもの数種ほしい。大きくは2種類。 胴回りを削るもの。そして、高台内を削るカンナ。 そして、磁器土を使う人は、超硬カンナが必要になります。

後は、ガーゼ、輪ゴムなど。 ガーゼは、湿台が轆轤にくっ付いて取れないのを防ぎます。

これだけあれば、後は削りのタイミングと技術。技術は又、別途書くことにします。

鉄カンナは自分で作ります。最近は余り使わなくなってますが、昔、材木は、薄い鉄の板で縛ってありました。これを帯び鉄と言います。これを、鉄切りのハサミで切り、後は金ヤスリで、刃を付けるだけ。

これも、結構難しいので、面倒であれば購入します。 この鉄カンナの大事なポイントは、削りの作業の前に必ず、金ヤスリで砥ます。 床屋さんが髭剃りを研ぐように。これだけあれば、後は技術を磨くだけ。数ミリ厚の作品が作れます。

IMG_3720.JPG余談ですが、こちらが削り完了の作品。 これから、取っ手を付けますが、移動で破損する可能性がありますので、京都に運んでから、取っ手を付けます。

このような時乾燥させたくありませんので、軽く霧吹きで水分を与えてやり、このような発砲スチロールで保管すれば、乾燥する事はありません。

マグカップとしては、軽すぎるかも知れません。 最近は、軽く作る癖が付き、必要以上に軽量になる傾向があります。職人さんが作る、あのフワ~としたものを作りたい。 でも行き過ぎはダメでしょう。

ではでは。